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- 岩田
- 『トモコレ』をつくっていく課程で、
ディレクターの高橋さんとは、
めざす考えは一致していたんですか?
それとも対立があったりしたんですか?
- 坂本
- 基本的にめざしてるものは同じだったと思います。
けど、細かいところでのこだわりとか
ニュアンスのようなものは、やはり違ってたりして。
いちばん大きかったのは、“生年月日問題”ですね。
- 岩田
- ちょっと詳しく話してもらえますか。
- 坂本
- 生年月日を入力して、
それをもとに占いとか、相性診断をやっていこうと。
- 岩田
- そのシステムは『とっとこハム太郎』のときから
とてもよくできていたと評判でしたよね。
- 坂本
- そうなんです。
そもそも、生年月日を入れるというのは、
四柱推命とかでも実績があるように、
とても説得力があると思っているんです。
それが本当に正しいのかは別にして、
しっかりとした裏付けがある感じを出すためにも
生年月日の入力は欠かせないと思ったんですね。
ところが、モニターの意見をとってみると、
友だちの生年月日は知らなかったり
聞きにくいという話もあって・・・。
- 岩田
- とくに女性に対しては
生年月日が聞きにくかったりしますよね。
- 坂本
- ええ。ところが友だちどうしでも、
「わざわざ生年月日を聞くのは気が重い」
という意見がわりとあったんです。
で、高橋さんもそこをすごく気にしていて、
占いみたいなものの裏付けとしての生年月日入力は、
彼も賛成だったんですが
商品として見た場合、
そこでつまずいてしまうのは、どうなんだろうと。
- 岩田
- Miiを登録しようとすると
その入口で「生年月日を入れてください」と言われて、
そこで固まってしまうのは間違ってると考えたんですね。
- 坂本
- はい。生年月日を入れなくても
登録できることはできるんですが、
それを入れなければ見られないコンテンツも
たくさんあるんですよ。
たとえば適職診断では、デザイナーが
とてもたくさんの職業の絵を描いていて、
高橋さんもその頑張りをよく知ってるんです。
でも、生年月日を入力しないと
適職診断ができませんので・・・。
- 岩田
- スタッフがせっかく苦労して描いた絵が
見てもらえなくなるんですね。
- 坂本
- 高橋さんはディレクターとして
それがとても申し訳ないとも思い、
やはり生年月日がハードルになるんじゃないかと思っていたんです。
それでも、最終的に僕が「やらせてほしい」と頼んで、
彼が生年月日入力を受け入れてくれたんです。
- 岩田
- 坂本さんがそこまで
生年月日入力にこだわったのはどうしてなんですか?
- 坂本
- 僕がそこまでこだわったのは、
やっぱり生年月日を人に聞くという行為も、
遊びにしたかったからなんです。
どうやったらうまいこと、
あの人の生年月日を知れるんだろうかとか、
ちょっと極端なことを言いますと、
生年月日を平気で聞けないような人を
『トモコレ』に入れても面白くないんじゃないのかと。
- 岩田
- 実世界と地続きのソフトなんですね。
- 坂本
- はい。ただ、うちの奥さんに言わせると、
「子どもに年がばれる」と言うんです。
隠してるのがおかしいんですけど(笑)。
- 岩田
- (笑)
- 坂本
- 「これ、どうしてくれるの?」と。
- 岩田
- まあ、母親というのは、
自分の年齢を多少サバを読むこともあるみたいですよね、
子どもに対しても。
自分の子どもにサバを読んでどうすると思うんだけど(笑)。
- 坂本
- ですよね(笑)。
あと、「Miiニュース」というのがあって・・・。
- 岩田
- はい。島で起こった出来事が
ニュースとして放送されるんですね。
- 坂本
- あれで、「街のMiiに聞きました」と言って
街角のMiiがコメントするコーナーがあるんですけど、
そのときに Miiの名前と年齢が
テロップで表示されるんです。
それを見たうちの奥さんが
「余計なものが表示されている」と。
- 岩田
- (笑)
- 坂本
- でも、そうすることで
リアリティも生まれると思うんです。
それに生年月日があることで、
分身としてのMiiは、
自分や友だちのイコールに近くなると思うんですね。
- 岩田
- しかも感情移入しやすくなりますしね。
そもそもMiiは
このソフトの副産物として生まれたわけじゃないですか。
- 坂本
- そうですね。
- 岩田
- いまでこそMiiは世の中にあふれていて
その存在は当たり前のように言われてますけど、
実は坂本さんが
『大人のオンナの占い手帳』をつくろうとしなければ
生まれてなかったんですよね。
- 坂本
- あのソフトをつくってるときに、
スタッフがモンタージュ的なものをつくろうと
言い出さなかったら、
絶対生まれてないでしょうね。
- 岩田
- しかも、坂本さんの
“規格外の顔”というフレーズがなかったら・・・。
- 坂本
- 僕が“規格外の顔”じゃなくて男前だったら・・・。
- 岩田
- (笑)
- 坂本
- さらに、僕が岩田さんに見せなければ・・・。
- 岩田
- わたしもそれを宮本さんに見せなければ
Miiは生まれてなかったかもしれないですね。
- 坂本
- そのMiiが生まれてなければ
『トモコレ』をつくることもなかったかもしれませんし。
- 岩田
- いろんなことが全部つながってるんですよね。
- 坂本
- 不思議ですね。
- 岩田
- 不思議ですよね。
そんな不思議な『トモダチコレクション』を
お客さんにどのように楽しんでほしいか、
最後にひとことメッセージをお願いします。
- 坂本
- 自分の本当に親しい人、
家族であったり、
自分の愛する人とか
好きな人を『トモコレ』に入れて、
その様子をまるで本人を見るような気持ちで、
お世話してあげたり、観察するだけでも
じゅうぶん面白いと思うんですけど、
それに加えて、このソフトのテーマである、
現実世界の人とも横のつながりを広げていただいて、
『トモコレ』を中心にいろんな人と、
より親しくなっていただけるとうれしいですね。
- 岩田
- Miiをつくるのが苦手な人に対しては?
- 坂本
- 似顔絵は、得手不得手があるみたいで、
「僕、つくれない」という人もいたりとか、
「似てる、似てない」とか言われたりもするんですけど、
最終的にMiiの似顔絵というのは、
つくった人が、「これは僕の奥さんです」と言えば、
それでいいと思ってるんです。
似てる似てないといったことはあまり気にせずに、
どんどん思い入れのある人を登録していってほしいなと思います。
- 岩田
- そうですね。
上手であることに、こだわる必要はあまりないと。
- 坂本
- 最初は似てないのかなと思っても、
次第に似てるように感じるようにもなりますしね。
だから、かまえることなく、
どんどん遊んでもらいたいなあと。
それに、ゲーム機のなかだけでなく、
実際に人間どうしで楽しんでほしいんです。
誕生日を聞きにくいかもしれないですけど、
聞けば、より仲良くなるキッカケになるかもしれませんし、
Miiニュースを見ていたら
「今日は○○さんの誕生日です」と言われて、
「ああそうか」と、
それで本人にオメデトウと言ったら
喜ばれたということもありますので。
『トモコレ』で、身近なコミュニケーションの
いいお手伝いができればいいなと思っています。
- 岩田
- 長い間、お疲れ様でした。
これからどんなことが起こるのか、発売日が楽しみです。
     
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