プロデューサー、モノリスソフト取締役:高橋哲哉 × 作曲家、プロキオン・スタジオ取締役:光田康典

1.DSというハードで

モノリスソフト初のDSタイトル

高橋. 今作はモノリスソフト※1にとって、携帯機向けとして本格的に制作する初めてのタイトルです。当時、ちょうどDSが出た頃だったので、DSで何か面白いものが作れないかというところから企画が立ち上がりました。そのとき、自分がプロデュースするんだったら、音楽は光田さんしかいないよねってことで、お願いできないか電話をしたのが始まりです。光田さんとは付き合いが長くて、最初に知り合ったのは『クロノ・トリガー』※2のときですよね。
*1.
モノリスソフト:ゲームソフト制作会社。代表作は『ゼノサーガ』シリーズ、『バテン・カイトス』シリーズなど。
*2.
『クロノ・トリガー』:スーパーファミコン向けのRPG。1995年3月にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売。高橋哲哉氏はグラフィックディレクター、光田康典氏はメインコンポーザーとして制作に参加。
光田. 『クロノ・トリガー』は、コンポーザー※3としての僕のデビュー作です。高橋さんとはその後、一緒に『ゼノギアス』※4とか『ゼノサーガ』※5をやらせてもらいました。高橋さんとは、もう10年以上の付き合いになるんですが、今回もこれまでどおり音楽については完全にまかせていただきました。
*3.
コンポーザー:作曲家。
*4.
『ゼノギアス』:スクウェア(現スクウェア・エニックス)から1998年2月に発売されたRPG。高橋哲哉氏が監督・脚本、光田康典氏が作曲・編曲を担当。
*5.
『ゼノサーガ』:モノリスソフトが制作するRPGシリーズ。
高橋. 光田さんは、純粋にコンポーザーさんとしてゲームのいろいろな場面を盛り上げたり、ゲーム本編そのものを牽引する曲を書いてくださる方なので、それがお願いした大きな理由なのですが、今回DSで作るにあたっての技術的な側面も理由としてあるんです。たとえ曲は良いものを書けてもそれをDSというハードでイメージ通りに鳴らすのは、実はとても難しいんですよ。で、それを両立できる人となると彼しかいないだろうと。
光田. せっかくやるならDSで最高を目指しましょうと、2人で電話で話しましたね。

DSだからこそ

高橋. 最初はスタンダードなRPGの形で試作していたんです。ただ、みんなで遊ぶとか短時間でも楽しめるといった、「DSだからこそ」ということを考えると、アクションRPGの方が目指している作りたいものを体現できるのではないかと考え、それまで作っていたものを途中でポンと捨てて、一から作り直しました。結果的に、爽快感とかスピード感といったアクションならではの気持ちよさが出せたと思います。
  それと今回はシナリオの書き方でも初の試みをしているんです。今まで据え置機で作るときは、シナリオが先にあって、それに対してシステムをこう作って、みたいな作り方だったのですが、今回はまず、ゲームとしてこういうものを作りたい、で、物量的にはこのくらいのものだったら作れそうだという大体の見積もりを出して、その上でこれだけの数の章、これだけの数のダンジョンができる、それに対してキャラクターを8人作って、さあ、どうシナリオを割っていこうか、と。だからあるシナリオを見せたいがためにゲームの方を合わせるのではなく、今回は作りたいゲームの形がまずありつつ、その上に自然な形で今作のテーマや世界観のようなものを作り上げて行けたのではないかと思います。
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