野村哲也

1.projecting KINGDOM HEARTS

『キングダムハーツ』とは

『キングダムハーツ』はこれまで複数のタイトルを発表しているシリーズです。ジャンルとしてはRPGですが、アクション性が高く、どちらかといえばアクションRPGとも言えるかと思います。中身に関して言うと、ディズニーの世界観と『ファイナルファンタジー』(『FF』※1)的な要素がコラボレーションしたオリジナルのお話の中に、様々なディズニー作品のキャラクター達や『FF』からのゲストも登場するという、いろんな要素が混じり合ったユニークなゲームです。そういう意味では『FF』に興味のある方はもちろん、ディズニーということでのファンの方も含めて、どなたでも幅広く楽しめるタイトルではないかと思います。
*1.
『ファイナルファンタジー』:1987年にスクウェア(現:スクウェア・エニックス)から第1作が発売され、現在もタイトルを重ねるRPGシリーズ。

シリーズ初のDSタイトルとして

今作は、シリーズで初めて、ニンテンドーDSで発売するタイトルになります。これまでシリーズを続ける中で、かなり以前から「DSでも『キングダムハーツ』を遊びたい」と言う声を皆さんからいただいていました。我々開発陣も早い時期からDSのタイトルを作ることを考えていましたが、ここまでお待たせすることになったのは、それまでになかった新しいタイプのゲーム機であるDSに、『キングダムハーツ』シリーズをどう落とし込むかを考えるにはそれなりの準備期間が必要だったからです。
今作を作る上で、一昨年に発売した『すばらしきこのせかい』※2というDSタイトルを作った経験が非常に役に立っています。『すばらしきこのせかい』は、企画段階からDSの機能を使いきることを目指して開発したタイトルで、上下の画面で同時に違うバトルをするなどDSならではの2画面やタッチパネルでの操作を駆使したものになりました。個人的には『すばらしきこのせかい』を開発しながらDSを研究し、DSならではの『キングダムハーツ』を作るにはどうすればいいかを考えていたという感じです。結果的には『すばらしきこのせかい』がDSに合わせた新たな方向性を示したことで、逆の発想として、『キングダムハーツ』シリーズのアクションの操作感をそのままDSに持って来れる手ごたえを感じましたし、さらにDSならではの新しい要素を入れてパワーアップできると確信できました。
*2.
『すばらしきこのせかい』:2007年にスクウェア・エニックスから発売されたニンテンドーDS用のアクションRPG。

『キングダムハーツ』の誕生

『キングダムハーツ』シリーズは、360度の空間を使った自由で爽快感のある3Dアクションが特徴ですが、そもそも僕が『キングダムハーツ』シリーズの元となる着想を得たのは『FFVII』※3を作っているときでした。ちょうどその頃発売されたのがNINTENDO64※4の『スーパーマリオ64』※5で、マリオがフル3Dを動き回るアクションを見て、とても衝撃を受けたんです。「これからのゲームはこれだ」と。僕はゲームを企画するとき、最初に頭の中にゲームが動いている映像が浮かぶんですが、そのときも『FF』のような世界観で『スーパーマリオ64』のようなフル3Dの世界をキャラクターが自由に動き回るというゲームイメージが浮かんできたんです。それが『キングダムハーツ』の出発点だったんですね。
*3.
『FFVII』:1997年に発売された『ファイナルファンタジー』のナンバリングタイトルの第7作。野村哲也氏はキャラクターデザインを担当。
*4.
NINTENDO64:1996年に任天堂から発売された据え置き型のゲーム機。
*5.
『スーパーマリオ64』:1996年に任天堂から発売されたNINTENDO64用のアクションゲーム。
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